私たちは、人生の中で何度も生まれ変わる余地があります。これは、例えではなくて、実質的に、何度も生まれ変わるのです。
私たちの人生は、象徴に支配されます。
もっというと、アストラル世界に支配されます。
さて、非常に難しい単語を並べました。
もっと簡単な表現にすれば、全てはストーリーに縛られているのです。
あなたも私も、必ず何かしらのストーリーを、埋め込まれているのです。

よく言う、自己啓発系の話での、誰かの言葉で洗脳されている、と言う類の話ではありません。
もちろん、それもありますが、それはもっと次元の低い場所の話です。
今ここで私が言っているのは、もっと上位層の話。
言葉という単語や、小さな概念ではありません。
ストーリーそのものを、生きているのです。
おっと、今、ここに一つの物語の本があります。
開いてみましょう。

あなたは雄大な荒野に立っていました。
見渡す限りの平原。
青い空。地平の端から、何かが走ってきます。
ポツンとした、点は徐々に大きくなってきて、次第にその姿を現しました。
白馬です。上には王子様が乗っている。

姫、お迎えにあがりました。と、そして、私たちは、王宮へと向けて、走り始めました。
しかし、次第に雲行きが怪しくなってきて、世界は暗転してきました。
あの山を越えれば、都だと王子は言います。
丘の上に小さな人影が見えます。

黒い魔女です。
魔女が杖を地面に叩きつけた瞬間、雷が矢の如く降り注ぎ、白馬は倒れ、私たちは地面へと放り出されました。
王子が立ち上がり私の方に駆け寄ろうとした瞬間、地面から立ち上がった薔薇の茎が、足に絡みつき、王子は動けなくなりました。
私も立ち上がり、助けに行こうとしたら、天から巨大な鷲が現れ、私は、身体を掴まれて、そのまま紫色の世界へと連れていかれることになるのでした。
さて、一度、本を閉じてみましょう。

これから、この物語はどこへ向かっていくでしょうか??
その前に考えみましょう。
どこへ向かうかの前に、どうしてこうなったのかを??
初め、あなたは、荒野に立っていました。

・・・・・・、そうです。それだけでは、何も起きません。
地平の端に、小さな点が。徐々に・・・・・・。
何かが起き始めました。
見えてきました。王子様です。
「はい、カットッ!!」

そうです。
王子様が出てきた瞬間に、あなたは魔女に誘拐されるのが決まっていたのです。
王子様という象徴が、あなたの人生全てを左右したのです。
本が落ちました。
どうやら、後ろの方のページが開いたようです。

どうしたのでしょう。真っ暗です。
何も見えません。
永久の闇が続いている。
少し場面を引いてみましょうか。

あっ、なるほど。
あなたは、ベットの上で寝ています。
しかし、夢も見ていない。
そうか、魔女に魔法で眠らされているのですね。
ベッドの近くに魔法の鏡があるようです。
あなたが映っています。

王子と結婚式の準備が進んでいる場面が流れているようです。
しかし、何かがおかしい。
だって、あなたは寝ている。
では、このあなたはいったい誰?

どことなく目の周辺が黒い。
あなたの暗闇に、そっと蝋燭の灯りを灯しましょう。
夢の中で目覚めたあなたは、どうしてこんなことになってしまったのかと、魔法の鏡を見つめながら、思い悩みました。
魔法の鏡に、向かって、どうしたら良いのか??
必死に祈りました。
鏡に、ある光景が映りました。

あなたは雄大な荒野に立っていました。
見渡す限りの平原。
青い空。地平の端から、何かが走ってきます。
ポツンとした点は、徐々に大きくなってきて、次第にその姿を現しました。
あなたは、近くにあった岩陰に隠れて、それが、通り過ぎるのを、見送りました。
そして、あなただけの物語が始まるのです!!
